インボイス制度:楽天市場におけるインボイス制度への対応は?

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楽天市場におけるインボイス制度への対応

以前、Amazonビジネスにおける買手・売手のインボイス対応について解説しましたが、今回は同じくらいメジャーな大手ECサイトである楽天市場のインボイス対応について見ていきたいと思います。

ビジネス用途で楽天市場を利用する場合、Amazonと同じく売手・買手共にインボイス制度の影響を受けることになりますが、楽天市場におけるインボイスの取り扱いについてはどうなっているのでしょうか?

これについては、楽天市場の公式サイトにおいて、2023年7月7日付けで以下のような発表がありました。

この発表を元に、買手・売手双方の立場から楽天市場におけるインボイスの対応について見ていきたいと思います。

楽天市場で商品を購入する買手の対応

まず事業者が楽天市場において仕入や物品購入を行う場合ですが、楽天市場に出店している事業者が適格請求書発行事業者(インボイス事業者)である場合には、2023年9月中旬以降を目処にインボイスの要件を満たした請求書を取得することができるようになります。

楽天市場で発行されるインボイスのサンプル

楽天の領収書は元々区分記載請求書等保存方式の要件を満たしたものなので、これにインボイスとして利用するために必要な「登録番号」が新たに「領収者情報」欄に追加されたことで、インボイスとしての要件を満たすことになります。

この領収書は「楽天市場」のトップページ右上にある「購入履歴」から、実際に購入した商品の左側にある「注文詳細を表示」⇒商品画面右下のお支払金額(税込)欄下「領収書を発行する」をクリックすると、PDF形式のインボイスをダウンロードすることができます。

なお、電子データでダウンロードする形式のため、令和6年1月1日以降は、電子帳簿保存法の規定により紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することになるので注意してください。

楽天市場で商品を販売する売手の対応

楽天市場は個人や免税事業者の方でも出店することができますが、インボイス登録が完了している事業者については、インボイス制度開始後、自社サイトの「会社概要」ページにインボイス事業者として登録されている旨が表記されます。

「会社概要」サンプル

「会社概要」ページは誰でも閲覧できますので、今後インボイス事業者としての登録がない場合は、取引を敬遠される可能性があります

最後に

楽天市場でも基本的にはAmazonと同じような対応をするようですが、共通するのは、今後は価格競争だけでなく、インボイス事業者としての登録の有無が出店者を選ぶ基準となる点です。Amazonビジネスでは商品検索条件に適格請求書発行事業者であるという項目が追加されますし、今後楽天市場でも同様の対応がされる可能性は大いにあると思います。

会社が物品購入する場合、最も経済的合理性が高い判断がされるであろうことを考えると、大量の出店者がひしめく大手ECサイトでは、インボイス登録がない事業者は今後淘汰されるかもしれません。

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