高額無申告者や連続無申告者への課税が厳しくなります

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高額無申告・連続無申告とは?

文字通りの意味となりますが、国税庁は令和5年度の税制改正において、これら2つの概念について、具体的に金額や期間を設定した上で、新たなペナルティを課す改正を行いました。

具体的に見てみると、高額無申告者とは、無申告による税額が300万円を超える者のことをいい、連続無申告者とは3期連続で無申告であった者のことを指すようです。

もちろん、300万円以下が低額で、2年連続はセーフということではなく、これらの金額や期間を元に、ペナルティを課したり重くしたりするという意味になります。

高額無申告者に対する無申告加算税の引き上げ

社会通念に照らして、申告義務を認識していなかったとは言い難い規模の高額無申告について、納税額(増差税額)が300万円を超える部分のペナルティとして、無申告加算税の割合が20%から30%に引き上げられます。なお、この改正は令和6年1月1日以後に申告期限が到来する所得税や法人税に適用されます。

納税額50万円以下50万円超~
300万円以下
300万円超
改正前15%20%
改正後15%20%30%

弊所では無申告者に対する支援を数多く行っておりますが、家賃収入が800万円位あって、物件管理も管理会社に委託しているような方が、「確定申告しないといけないなんて知らなかった」などとご相談されることがあります。これはどう考えても、上記の「社会通念に照らして、申告義務を認識していなかったとは言い難い」状態であり、税務調査が入る前に期限後申告をしても、無申告加算税30%の適用は免れないでしょう。

連続無申告者に対する無申告加算税または重加算税の10%加重措置

繰り返し行われる悪質な無申告行為を未然に防止し、自主的に申告することを促進する観点から、前年度および前々年度の所得税や法人税について無申告加算税または重加算税(無申告)を課される者が行う更なる無申告行為に対し、課すべき無申告加算税または重加算税(無申告)が10%荷重されます。なお、この改正は令和6年1月1日以後に申告期限が到来する所得税や法人税に適用されます。

  • 無申告加算税については、税務調査の通知前かつ指摘されることを予知する前はこの規定から除外されます。
改正前

【無申告の場合】
 無申告加算税・・・20%(50万円以下は15%)

【仮装隠蔽があった場合】
 重加算税(無申告)・・・40%

改正後

【無申告の場合】
 無申告加算税・・・30%(50万円以下は35%)

【仮装隠蔽があった場合】
 重加算税(無申告)・・・50%

弊所で無申告支援を行った方は全員その後の申告を欠かさず行っておられますが、世間では何度も無申告を繰り返し、その都度痛い目にあっている方がおられると聞いています。申告ができない、納税資金がないといった状況になったとき、何もかも放り出してしまうのではなく、必ず税務署か税理士に相談するようにしてください。弊所にご相談に来られる殆どの方が、「相談に行くのが怖かった」「相談するタイミングを逸してしまった」と口にされますが、税務署からすれば、無申告者が「知識がなかったから申告しなかった」のか、「意図的に申告しなかった」のかは全くわからないので、無申告のまま放っておくと、それだけで「悪質」と認定される可能性があります。

心当たりのある方は、すぐに弊所の無料相談を活用してみてください!

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