大金を拾ったら?拾ったお金やお礼に税金はかかるの?

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年末になると・・・

私が若い頃は現金決済が今よりも格段に多かった時代でして、年末ともなるとセカンドバックに100万円の束をいくつか入れて支払や集金に回られる方が多くおられました。

そうなると大金を何処かに置き忘れたり、うっかり落としてしまうといった事も多くなるわけですが、運良く拾われて警察に届けられた場合、落とし主は届けていただいた方に何がしかのお礼をすることになります。

実はこの落とし物にかかるお礼(報労金)には、税金がかかるということをご存知でしたでしょうか?

遺失物法によると

落とし物を拾った人(拾得者)に対しては、「遺失物法」により次のような権利が認められています。ただし、落とし物を拾った日から7日以内(バスや鉄道など管理者のいる場所で拾った場合は24時間以内)に警察署等に提出しないと、それぞれの権利はなくなってしまいます。

落とし主に報労金を請求する権利

無事落し主が見つかった場合、5%~20%の間で落し主からお礼を受け取ることができます。ただし、駅やデパートなどの施設で拾われた場合は、お礼はその施設と折半になります。

落とし物を受け取る権利

3ヶ月経過しても落とし主が現れなかった場合、落とし物を自分のものとして受け取ることができます。ただし、引取期間は2ヶ月で、それを過ぎると落とし物の所有権は都道府県に帰属します。

諸経費を請求する権利

落とし物を運んだり、保管する際に要した費用を請求することができます。

思わぬ大金を拾ってしまったら

例えば、300万円が入った紙袋を拾ったとしましょう。なんやかんやで落とし主が現れず、無事(?)あなたのものになったとします。しかしこれで「チャンチャン」とはなりません。

所得税法第34条及び所得税法基本通達34-1には、以下のように記載されています。

所得税基本通達 34-1(一時所得の例示)

次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。

(一部省略)

(10) 遺失物拾得者又は埋蔵物発見者が受ける報労金

(11) 遺失物の拾得又は埋蔵物の発見により新たに所有権を取得する資産

したがって、これ以外に所得がない場合は、この300万円に対し、一時所得として以下の計算による所得税および住民税がかかります。

  1. 一時所得の金額:3,000,000円 - 500,000円(特別控除)= 2,500,000円
  2. 一時所得の課税金額:2,500,000円 ✕ 1/2 = 1,250,000円
  3. 所得控除額:480,000円(基礎控除のみと仮定)
  4. 所得税額:39,300円(住民税額:84,500円)

所得税と住民税を合わせると123,800円となりますが、結構な金額ですね。

もしも大金を拾って自分のものになっても、舞い上がって使い切ってしまうことのないよう、納税のこともしっかりと考えておいてくださいね。

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