ChatGPT(GPT-4)に聞いてみた #3 〜 京都市の財政難と税制について尋ねてみました

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古都税(古都保存協力税)の記憶

私は昭和60年に同志社大学に入学したのですが、ちょうどその当時、京都市と京都仏教会が「古都税」を導入するかどうかで市民をも巻き込んで揉めに揉めていた時期でした。

兵庫県の田舎から上京した身としては、京都はキラキラして、はんなり・おっとりした上品なお方で溢れていると思っておりましたので、大層びっくりしたのを覚えています。

この「古都税」がどのような経緯で推進され、また廃止に追いやられたかについては、京都仏教会のホームページに「古都税の証言―京都の寺院拝観をめぐる問題」という書籍の要約版(とはいえかなりの長文)が掲載されていますので、ぜひお読みいただけたらと思います。

京都市の財政難と税制についてChatGPT(GPT-4)に聞いてみた

最近、京都市の財政難を解決するために、広大な敷地を保有するお寺や神社に対して固定資産税を課税したらどうか、という質問をされました。おそらくこれまで数え切れないくらい話題に上ったテーマだと思いますが、これについては明確に、法律上課税できないことになっていますので、京都市の条例等で解釈を変更することはできません。

地方税法第348条2項三

2.固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。

三.宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地(旧宗教法人令の規定による宗教法人のこれに相当する建物、工作物及び土地を含む。)

なので、過去に何度か議論された「古都税」や、新たに創設された「宿泊税」といった新税で京都市の財政難を救うことができないか、ChatGPTに丸投げしてみました。

京都市の財政難が深刻化していますが、神社や寺院に対して一定の税負担を求める古都保存協力税のようなものは必要だと思いますか?

この質問は非常に複雑で、それぞれの立場により多くの視点があります。以下に、いくつかの視点を提示します。

  1. 神社や寺院の財政負担増加:古都保存協力税を導入することで、神社や寺院が直面する財政負担が増大します。これは、これらの施設が地域コミュニティに提供するサービスや儀式を減少させる可能性があります。さらに、これらの施設はすでに運営費に苦しんでいるかもしれません。
  2. 京都市の財政改善:一方で、神社や寺院から一定の税負担を求めることは、京都市の財政を改善する手段となる可能性があります。京都市は、国際的にも有名な観光地であり、その美しい神社や寺院が大きな魅力となっています。その保存と維持は重要で、そのための財源が必要です。
  3. 観光の影響:税金の導入は、観光業にも影響を与える可能性があります。神社や寺院が増税の影響を受けると、それは入場料の値上げや、施設の維持管理に関連する他のコストへの影響として観光客に転嫁される可能性があります。
  4. 宗教と政府の分離:政府が宗教施設に税を課すことは、一部の人々からは宗教と政府の分離の原則に反すると見なされるかもしれません。

以上のような要素を考慮に入れると、古都保存協力税のような制度が必要かどうかを決定するのは難しいです。何が最善の解決策であるかを見極めるためには、様々な関係者の意見を集約し、京都市の財政状況、地域コミュニティ、観光業、そして神社や寺院自体の影響を総合的に評価する必要があります。

京都市がすでに導入している「宿泊税」や今後導入が予定されている「空き家税」は、京都市の財政にどのような影響があると考えますか?

「宿泊税」や「空き家税」のような新しい税の導入は、京都市の財政に大きな影響を与える可能性があります。

  1. 宿泊税:宿泊税は主に観光客から徴収されます。京都市は国内外から多くの観光客を引きつける都市であるため、この税によりかなりの収入が見込まれます。しかし、一方で、宿泊税が高すぎると観光客を遠ざけ、結果的に観光産業に悪影響を及ぼす可能性もあります。適切なバランスが求められます。
  2. 空き家税:空き家税は、空き家の所有者に対するインセンティブとなり、空き家の再利用や解体を促進します。これにより、市街地の景観の改善や不動産市場の活性化が期待できます。また、この税により得られる収入は、都市のインフラ整備やサービスの改善などに使われる可能性があります。

これらの税により得られる収入は、財政難に直面している京都市にとって有益なものとなります。しかし、税率や徴収の方法などについては、細心の注意を払いながら設定し、適用する必要があります。その上で、これらの税が地域社会や観光業に与える影響を常に監視し、必要に応じて調整を行うことが重要です。

また、これらの税金の導入により収入が増える一方で、適切な徴収体制の整備や税金の適用・管理に伴うコストも考慮する必要があります。それらを含めた総合的な財政効果を評価し、適切な政策決定を行うことが求められます。

ここ最近、京都市内における建物の高さ規制が緩和される方向にありますが、「開発促進」と「景観保全」の両面からこの規制緩和が必要か、または不要かを論じてください。

建物の高さ規制に関する議論は、一般的に開発促進と景観保全という二つの重要な視点を含んでいます。以下にそれぞれの視点からの考え方を示します。

開発促進の観点

  • 規制緩和の必要性:都市の人口が増加し、商業活動が拡大する中で、建物の高さ規制の緩和はより多くの人々やビジネスを収容するために必要な場合があります。また、都市の空間利用効率を向上させることで、土地価格の上昇を抑制し、都市の生活コストを抑える効果もあります。さらに、より多くのオフィススペースや住宅を提供することで、経済活動を促進し、都市の競争力を強化する可能性もあります。
  • 規制緩和の問題点:一方、建物の高さ規制を緩和すると、都市の過密化や環境問題(光照射の問題、風の通り道の変化、ヒートアイランド現象の増加等)が増大する可能性があります。また、高層建築物が増えることで地域のコミュニティ性が損なわれる懸念もあります。

景観保全の観点

  • 規制緩和の問題点:特に京都のような歴史的な都市では、景観保全は特に重要です。建物の高さ規制の緩和は、伝統的な建築や自然環境と調和しない新たな風景を生み出す可能性があります。これは都市の観光価値を損なう可能性があります。
  • 規制緩和の必要性:一方で、規制が厳しすぎると、都市の再開発や再生が妨げられ、都市が古く、劣化したままになる可能性があります。これは、生活環境の悪化や経済活動の停滞をもたらす可能性があります。

結論として、開発促進と景観保全は両立しなければならない重要な課題です。開発が必要な地域と景観保全が必要な地域を明確に区分し、それぞれに適した規制を設けることが求められます。また、高層化に伴う問題を最小限に抑えるための技術的な解決策(例えば、建築デザインや材料の選択等)も考慮する必要があります。これらの対策は、多様な利害関係者の意見を反映した上で行うべきです。

京都市の都市デザインに関して、広く海外からの支援を受けるべきでしょうか?それとも伝統的な手法をより向上させるべきでしょうか?

京都市の都市デザインについては、海外からの支援を受けることと伝統的な手法を向上させることは、排他的な選択ではなく、両方とも可能であると言えます。

海外からの支援を受ける: 海外からの支援、つまり、他の地域や国からの専門知識や経験を取り入れることは、多くの点で有益です。都市計画や建築設計における新たな視点や技術の導入は、都市開発の質を向上させる可能性があります。さらに、環境問題への対策や都市の持続可能性の向上など、共通の課題に対するソリューションを学ぶ機会を提供します。ただし、これらの取り組みは、京都の独特な文化と景観を尊重し、調和させることが重要です。

伝統的な手法を向上させる: 一方、京都市は長い歴史と独自の文化を持つ都市であり、それらはその景観や魅力の大部分を形成しています。したがって、これらの価値を守り、強化することは重要です。伝統的な手法や技術を現代の都市開発の文脈で再評価し、それらを改良・適用することは、都市の持続可能な成長を支え、同時にその独自性を保つための手段となるでしょう。

結論として、海外からの支援と伝統的な手法の向上は、両立可能であり、都市デザインの成功にとって重要な要素です。海外からの学びを活用しつつ、京都市の文化的遺産を尊重し維持するバランスのとれたアプローチが必要となります。これには、都市デザインや都市開発に関わる多様な利害関係者の間での協議や共同作業が求められます。

最後に

なんかもっともらしいことを述べてますね(笑)。

しかし、わずか1~2分でこれだけの回答をしてくれるAIには本当に驚かされます。特に感心したのは、一番に「神社や寺院の財政負担増加」を挙げたことで、実はお寺や神社の経営状況は本当に厳しく、「坊主丸儲け」はとうの昔の話で、現状はかなり悲惨な状況だと聞いています。

京都には観光客を受け入れ、拝観料を徴収する「観光寺院」と、檀家を抱え、葬儀や法要などで生計を立てる寺院があります。拝観料は300円程度から4,000円以上と、それぞれの寺院が独自に設定しています。私が以前住んでいた場所の近所に、苔庭で有名な西芳寺(苔寺)がありましたが、こちらは拝観料が3,000円となっています。

当然「高い」と感じられると思います。ええ、高いです(笑)。しかし、あの苔庭を維持するための費用を以前聞いたことがあるのですが、おそらく皆さんが想像する何十倍、何百倍もコストが掛かります。京都にはお庭の美しいお寺さんが多いですが、その維持に必要な水道料金一つとっても、今回の値上げにより指数関数的に増加することになります。

また、有名な清水寺の舞台ですが、それを支える欅の木は樹齢400年のものが用いられています。現在の支柱は今後400年以内には全て取り替える必要があるそうなのですが、そのために清水寺は、山林の土地を購入し、欅の苗木を植樹しています。

ChatGPTはサラッと回答してくれましたが、守るべき伝統が多い京都は、「正論」では解決することができない問題が多いのだと、改めて感じさせるものでした。

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