税務調査で「社用車」が否認されるケースとは?

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社長さんは車好きが多い?

会社の経営者や事業主さんには車好きな方が本当に多いです。ものすごい高級車を買われたと思ったら、翌年にはゴリゴリのキャンプ仕様にしてみたり、やっぱりスポーツタイプもいいよね、なんていいながらワンルームマンションが替えるくらいの車を購入してみたり・・・

事業が上手くいっておられるので、プライベートの趣味に口を挟むつもりはありませんが、お仕事用の車となれば見過ごすわけには参りません。

毎年のように高級外車を乗り換え、「営業車です」と言い張っても、税務署はなかなか許してはくれないでしょう。

税務調査で問題となるケース

軽トラックを購入して、車体の側面に「世良板金㈲」などと塗装されていたら、100%社用車として認めてもらえると思いますが、以下のような場合には、税務調査で指摘される可能性が高くなります。

事業関連性を証明できない高級外車など

「お豆腐屋さんをやっています。営業車はフェラーリSF90ストラダーレです」と聞かされたら、これを読まれている方は全員「いや、趣味でしょ」と思いますよね。やはり事業内容や社会通念上妥当かどうか考えたときに、明らかに趣味性の高い車は税務調査の際に否認される可能性が高くなります。

ただしこれについては、過去においてフェラーリを社用車として保有し、使用に係る経費を認めないとする税務署側の見解を国税不服審判所が覆し、一転してフェラーリを社用車として認めるという判断が下されたことがありました。

有名な判例ですが、無条件で認められたわけではありませんので、社用車を購入する際は、あくまでも事業との関連性や一般常識の範囲内で購入するようにしましょう。

買い替えサイクルが異常に早い

化学薬品を使う現場や過酷な環境で使用する重機などは、消耗が激しいため短期間で買い替えることはあるかもしれませんが、社長しか乗らなような営業車を毎年買い替えていれば、当然個人的趣味ではないかと疑われます。

走行距離が異常に長い

走行距離が異常に長くなる業種といえば、運送業やバス事業、一般的な事業で言えばルート営業がメインの営業車などいくつか考えられますが、例えば日頃診察をされている開業医の方が、社用車を何万キロも走行させることは考えにくいと思います。

このような場合、代表者自身がプライベートでも乗り回していたり、代表者の家族が日常乗っていたりというケースが考えられます。特に代表者が個人的に車を所有していない場合などは、税務調査で指摘される可能性は高いでしょう。

行き過ぎたカスタムやドレスアップ

以前「痛車」のラッピングをしたアルファードをお持ちの社長様の税務調査に立ち会ったことがありましたが、特段指摘されることもなく、調査が終了しました。「痛車」という言葉だけを見ると趣味性が高いと判断されがちですが、その会社はこのような雰囲気が好まれる業種であったため、逆に事業への貢献度が高いと判断されたのかもしれません。

しかし、様々なカスタムパーツを取り付け、内装を必要以上に華美にしたり、ものすごく高級なオーディオセットを積んでみたり、タイヤを・・・

などといったことをやってしまうと、流石に趣味でやっていますよね、となってしまいます。

最後に

私も趣味で自転車やカメラ、楽器などをやっているのでわかりますが、欲しくて欲しくてたまらなかったものが手に入った瞬間、新たに「欲しくて欲しくてたまらないモノ」が誕生してしまうんですよね。。

幸い車ほど高くないので大丈夫ですが、車好きの社長様、どうか程々にお願いいたします。

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