定額減税:給与・賞与を計上する月と実際に支払う月が異なる場合

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給与・賞与に係る源泉徴収の時期

給与や賞与については、計上した月ではなく、実際に支給された日に源泉徴収を行います

例えば「毎月25日締めの翌月10日支払」の給与であれば、給与に係る所得税は、締め日である25日ではなく実際の支給日である10日に源泉徴収されます。これは賞与についても同様で、6月末締めの夏期賞与が翌月15日に支払われるのであれば、賞与に係る所得税は翌月15日に源泉徴収されることになります。

給与計上月と支給月が異なる場合の定額減税

定額減税における毎月の減税処理(月次減税)は、「令和6年6月1日以後最初に支払う給与等につき源泉徴収を行う際から定額減税を行う」と規定されていますので、給与計上月が令和6年5月31日以前のものであっても、これらの支給が令和6年6月1日以降に行われるのであれば、その未払給与に係る源泉所得税から月次減税額を控除していきます。

ただし、同じ未払給与でも、令和5年分の給与や賞与に係る未払分については、月次減税の処理を行うことはできません

これは、そもそも定額減税の対象となる人の要件が、「令和6年分の所得税の納税者であること」とされているため、令和5年分以前の所得税については対象とされないためです。

具体例

具体例:1

給与締め日:毎月20日
給与支払日:当月25日
令和6年5月分の給与が未払となっており、6月10日に支給された
令和6年6月分の給与は遅滞なく支給された

この場合、令和6年6月1日以降最初に支払われた給与は6月10日支払の5月分未払給与となるため、この未払給与に係る源泉徴収税額、次いで6月分給与という順番で月次減税を行います。

具体例:2

給与締め日:毎月20日
給与支払日:当月25日
令和6年5月分の給与が未払となっており、6月30日に支給された
令和6年6月分の給与は遅滞なく支給された

この場合は6月分給与、次いで5月分未払給与という順番で月次減税を行います。

具体例:3

給与締め日:毎月末日
給与支払日:翌月15日
令和5年12月分の冬期賞与が未払となっており、6月10日に支給された
令和6年5月分の給与は遅滞なく支給された

少し複雑ですが、令和6年6月1日以降最初に支払われた給与(この場合は賞与)は令和5年分の冬期賞与ですが、令和6年分所得税に係るものではないため、この未払賞与からは定額減税を行うことはできません。また、この設例では計上月と支給月が異なるため、5月分給与(6月15日支給)から月次減税を行うことになります。

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