「ほーさんが来はった」

目次

ほーさんってわかりますか?

京都に住んでいると、朝だというのにどこからか「ほぉ~」と大きな声が聞こえてくることがあります。しかも一人ではなく、少し間を空けて、四人の「ほぉ~」がこだまします。

京都でも場所によっては言い方が違うかもしれませんが、わたしたちはこの声が聞こえると、「あ、ほーさんが来はった」といいながら、小銭をもって玄関に走っていきます。

実はこれ、修行中の若いお坊様(雲水さん)が、修行の一環である「托鉢」をされているんですね。

京都にはたくさんのお寺さんがありますが、この托鉢をされるのは主に禅宗(臨済宗)のお寺で、多くの修行僧を受け入れているいわゆる京都五山の雲水さんです。

ちなみに京都五山とは、臨済宗の寺格の高いお寺のことで、時代によって序列は入れ替わってきましたが、現在では以下のようになっています。

  1. 別格(五山之上)・・・南禅寺
  2. 第一位・・・天龍寺
  3. 第二位・・・相国寺
  4. 第三位・・・建仁寺
  5. 第四位・・・東福寺
  6. 第五位・・・万寿寺

ちなみに、弊所は千利休や一休禅師で有名な古刹・大徳寺の近くにありますが、大徳寺は京都五山に含まれていません。京都五山とは禅寺の順位を示すものではなく、大徳寺の他にも、妙心寺といった大きな禅寺も含まれていないんですね。

京都五山はあくまで足利時代における当時の政治的な色合いが強く反映された格付けであるため、大徳寺や妙心寺は当時の権力者から排除されたりしたそうです。

もしもほーさんに出会ったら

道端で出会っていきなりお布施をすることはないと思いますが、家の前を通られるようであれば、ぜひお布施をして差し上げてください。

ただし、一応お布施の仕方というものがありますので、間違っても、「お~いお坊さ~ん」とか言いながら追いかけてはいけません。

お布施のマナー
  1. 雲水さんの「ほぉ~(多分「法~」と唱えているのだと思います)」のお声が聞こえたら、お布施のお金(100円~500円ほど)をもって玄関先に出ます。
  2. 声をかけず黙って合掌して雲水さんが近くに来られるのを待ちます。
  3. 雲水さんが自分の前に立たれたら、お互いに合掌して一礼します。
  4. 雲水さんが首から下げているお寺さんの名前の入った袋(頭陀袋)の蓋部分が差し出されるのを待ちます。
  5. その上にお布施を置き、雲水さんがするするっとお布施を引き寄せながら袋の中に仕舞い終わるのを見届けます。
  6. 最後にお互いに合掌して一礼します。

最後に

今日は素晴らしくお声の良い雲水さんが家の前を通られましたので、思わずお布施をしてまいりました。そんなわけで、本日はインボイスの記事を書くつもりでしたが、ついほーさんのことを書きたくなってしまいました(笑)。

目次