住宅ローンを組んでいるマイホームを店舗や事務所、貸家にできる?

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これから住宅ローンを組む場合

最初から自宅兼事務所や店舗付き住宅にすることが明らかな場合は、金融機関に利用目的や建築計画などを事前に説明することで、物件全体を住宅ローンの対象として組むことができます。ただし、金融機関によりローンを組むための要件が異なりますので、一つの銀行で断られても、複数の銀行に相談することで、ローンを組める可能性があります。

店舗付き住宅には「店舗兼用住宅」と「店舗併用住宅」があり、ざっくりいうと「中で行き来が出来れば兼用住宅」、「中で行き来が出来なければ併用住宅」といった感じです。このような形態の違いや、居住面積が全体の何割以上確保できているかなどによって、住宅ローンとして融資可能かどうか判断されます。

融資条件は金融機関によって異なりますが、床面積の50%以上が居住用であることを条件としていることが多いようです。このほかにも自己資金を多めに用意したり、事業性のローンを組み合わすことによってクリアできることがあります。また、メガバンクやネット銀行よりも、信用金庫や信用組合、農協や漁協など地域密着の金融機関のほうが融資条件について柔軟に対応してもらえる可能性が高いでしょう。

住宅ローンを組んだ後に用途変更した場合

住宅ローンを組むことができる年数は最長で35年です。人生の約半分くらいの年数ですので、その間に自宅で事業を始めたり、家を離れたりすることもあると思います。ローンを組んで10年もすれば、しれっと家の一部を店舗にしたとしても銀行は気が付かないだろうと思われる方は多いでしょう。

この「バレる」「バレない」についてはここで説明してもあまり意味のないことなので横においておきますが、基本的に、ローンを組む際に約束したことを守らないと、その時点で一括返済を求められる可能性は非常に高いといえます。

住宅ローンを組む際に締結した金銭消費貸借契約書には、皆さんがよく目にする固定金利・変動金利といった金利のタイプや、利率、元利均等や元金均等の別、返済期間などが記載されていますが、同様に返済が遅れた場合の遅延損害金や、無断で住宅としての用途を変更した場合の対応なども記載されています。

例えば、多くの人が利用する「フラット35」という住宅ローンについては、融資後の住宅の用途変更について、ホームページ上で以下のように注意喚起しています。

住宅の一部を店舗・事務所に変更するとき

融資住宅の一部を店舗・事務所に変更するときは、店舗・事務所に変更される面積に応じて、融資金の全部または一部を繰り上げて返済していただく場合があります
そのため、事前にご返済中の金融機関にお申し出ください。

無断で融資住宅を店舗・事務所に変更しますと機構(旧公庫)とお客様との間で取り交わした契約に違反することとなり、融資金の全額をお返しいただくことになりますので、ご注意ください。

また、転勤などの理由で購入した住宅に住めなくなったため、その家を賃貸に出すケースはよくあると思いますが、これも賃貸事業用に用途を変更することになりますので、基本的には契約違反となり、一括返済を求められる可能性はあります。

住宅ローン控除との関係

店舗兼住宅や事務所兼住宅であっても、要件を満たせば住宅ローン控除を受けることができます。

まず大前提として、床面積の50%以上が居住用の物件でないと、住宅ローン控除の適用を受けることができません。これについては、前述の住宅ローンを組む際の要件と同じです。この要件を満たした上で、居住用として利用している割合に応じて、住宅ローン控除の金額を調整することになります。

なお、住宅ローン控除を受けられなかった部分(店舗や事務所の床面積に対応する部分)については、これらの事業に係る必要経費とすることができます。仮に居住部分が60%、事業部分が40%とすると、住宅ローンに係る利息のうち、60%は住宅ローン控除に、40%は必要経費に、といった処理をすることができます。

ただし、店舗や事務所といった事業部分を10%未満にすると、住宅ローン控除を100%受けることができます。

また、これは裏技的な方法ですが、店舗や事務所といった事業部分を10%未満にすると、住宅ローン控除を100%受けることができるという特例がありますので、事業割合を10%未満にすることで、住宅ローン控除を100%適用し、その上で10%程度を必要経費として計算することも可能です。一見ダブルカウントのように見えますが、法律上は認められていますので、該当する方は検討してみてください。

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