【iDeCo】老後2,000万円問題、節税しながら投資にシフト【NISA】

いわゆる『老後2,000万円問題』。麻生太郎・金融担当相が諮問機関の『金融審議会』に、金融庁の報告書『高齢社会における資産形成・管理』を2019年6月3日に諮ったことがきっかけでした。

この報道のあと、iDeCoの加入者数が急増、2019年7月時点で加入者が131万人を超えたようです。

カタカナで『イデコ!』と聞くと、『ああ、なんとなく聞いたことがあるなぁ』と思われる方も多いかと思いますが、ここで、ものすごく簡単にiDeCoについて説明したいと思います。

iDeCoとは”individual-type Defined Contribution pension plan”の頭文字を取って名付けられたもので、日本語では『個人型確定拠出年金』といい、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。2017年1月に改正が有り、企業年金がある会社員や公務員などの共済年金加入者、専業主婦などの第3号被保険者も加入できるようになり、20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できるようになりました。

iDeCo最大のメリットは、『拠出時』『運用中』『受取時』のそれぞれで税制上の優遇措置があることです。それぞれ解説していきましょう。

拠出時の掛金が全額所得控除の対象

サラリーマンと自営業者では年間の掛金の上限に違いはありますが、拠出した掛金は全額その年分の『小規模企業等掛金控除』の対象となります。所得控除ですので、その年分の拠出金額にそれぞれの所得税率(5%~45%)プラス住民税率(一律10%)を乗じた金額分の税金が少なくなります。

私のような自営業者の場合、第1号被保険者なので月額68,000円、年間で816,000円まで掛けることができます。例えば所得税率が20%だとすると、住民税を併せて【816,000円✕(20%+10%)=244,800円】の節税となります。

運用中に得た利益は全額非課税

一般的な投資商品である株式や投資信託は、運用中に生じた利益や運用益に対し、20.315%の税金が課せられます。ところがiDeCoで運用した場合には、利益・運用益がでた場合でも一切税金がかかりません。

実はiDeCoは60歳まで引き出しができません。このことがiDeCoのデメリットとして必ず紹介されますが、見方を変えれば、嫌でも長期投資になるということです。長期投資になるということは、複利効果が得られやすくなるということです。

複利効果により、運用期間が長くなるほど雪だるま式に利益が増えることになります。この運用益にかかる税金がゼロになるわけですから、投資商品としても魅力的ですね。

受取時の一時金が退職金、年金が公的年金になる

受取時に一括で受給した場合には、税制上は『退職金』として取り扱われます。退職金には『退職所得控除』という大きな控除があり、かつ控除後の金額をさらに2分の1したものが課税対象となります。退職所得控除は拠出期間により以下の算式で計算されます。

  • 拠出期間が20年以下…拠出年数✕40万円
  • 拠出期間が20年超 …800万円+(拠出年数✕70万円)

iDeCoのデメリット

メリットばかりが強調されるiDeCoですが、もちろんデメリットもあります。iDeCo最大のデメリットは、『原則60歳になるまでは引き出せない』こと。老後の年金づくりを促進させる仕組みなので、当然といえばそれまでなのですが、税制優遇を受けられるもう一つの制度、少額投資非課税制度(NISA)を併用することで、教育資金や住宅資金など途中で引き出す可能性のあるものに対する備えにはNISA、老後の安心のためにiDeCoと、目的に応じて投資を分散させることで、このデメリットはほぼ解消するのではないでしょうか。

結論

ネットを検索しても、賛否それぞれあると思いますが、個人的にはiDeCoは『オススメ』だと思います。私も年明け早々、iDeCoをやろうかなぁと妻と相談中です(*^^*)