クラウド会計導入で経理が変わる!導入までのプロセスを解説

「導入したいけれど、自分たちに使いこなせるか不安…」「費用や効果が分からず判断に迷う…」そんな経理担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。本記事ではクラウド会計のメリットや注意点を整理し、導入準備の進め方、そしてクラウド会計主要3社の簡単な比較までを解説します。

目次

クラウド会計を導入することで変わる3つのこと

この章で扱う主なポイント
  • 自動仕訳やデータ連携で経理作業の時間が大幅削減される
  • リアルタイムで経営状況を把握できるため意思決定が早くなる
  • リモート環境でもスムーズに業務を進められる

クラウド会計を導入すると、従来の手作業中心の経理業務が大きく変わります。自動仕訳やデータ連携により作業時間が削減され、経営状況をリアルタイムに把握できるため迅速な意思決定が可能です。さらに、インターネット環境さえあれば場所を問わず業務を進められる点も大きなメリットです。

自動仕訳やデータ連携で経理作業の時間が大幅削減される

クラウド会計の大きな魅力は、自動仕訳や銀行・カードとのデータ連携機能です。従来の経理では、請求書や通帳を見ながら一つひとつ手入力をする必要がありました。しかしクラウド会計を導入すれば、取引データを自動で取り込み仕訳を提案してくれるため、入力作業が大幅に減ります。これにより残業削減や入力ミス防止につながり、担当者は本来注力すべき業務に時間を使えるようになるでしょう。

リアルタイムで経営状況を把握できるため意思決定が早くなる

クラウド会計は取引データが即座に反映されるため、常に最新の経営状況を把握できます。従来のように帳簿を締めてから集計する必要がなく、日々の収支や資金繰りをリアルタイムで確認できるのが特長です。これにより、資金不足の兆候を早めに察知したり、投資判断を迅速に行えるなど、経営スピードを大きく高められます。

リモート環境でもスムーズに業務を進められる

クラウド会計はインターネット環境さえあればどこからでもアクセス可能です。在宅勤務や出張先でも作業できるため、チームで同じデータを共有しながら業務を進められます。災害や緊急時にも柔軟に対応でき、経営のリスク分散にもつながります。

導入時に検討すべき5つの準備ポイント

この章で扱う主なポイント
  • 既存システムからのデータ移行計画を立てる
  • 業務フローのどこにクラウドを組み込むか整理する
  • 連携可能な銀行口座やクレジットカードを確認する
  • 仕訳ルールや勘定科目をあらかじめ決めておく
  • 顧問税理士や外部サポートとの対応方針を確認する

クラウド会計の導入を成功させるには、事前の準備が欠かせません。特にデータ移行や業務フローとの整合性を確認しないと、導入後に業務が滞る恐れがあります。さらに、外部サポートや税理士との連携も重要になります。

既存システムからのデータ移行計画を立てる

移行対象データを洗い出し、時期や方法を明確に決めましょう。テスト移行を行って不具合を確認することで、本番移行のトラブルを防げます。

業務フローのどこにクラウドを組み込むか整理する

現行フローを可視化し、クラウドに任せる範囲と手作業を残す範囲を切り分けておくと、スムーズに移行できます。

連携可能な銀行口座やクレジットカードを確認する

主要銀行や大手カードは対応していても、地方銀行や一部カードは非対応の場合があります。導入前に必ず確認しておきましょう。

また、明確な理由もなく複数のクレジットカードを使用している場合は、この機会に利用目的や利用部署ごとに最小限のクレジットカードに集約すると、その後の管理が楽になります。

仕訳ルールや勘定科目をあらかじめ決めておく

自動仕訳の精度を高めるには、あらかじめルールを整理しておくことが大切です。共通ルールを定めることで修正作業も減らせます。

顧問税理士や外部サポートとの対応方針を確認する

税理士やベンダー支援を活用すれば、設定や移行を安心して進められます。外部と役割分担を明確にすることで導入後のトラブルを防げます。

なお、税理士事務所によっては連携しやすいクラウド会計を勧められることがあるので、あらかじめクラウド会計への移行計画を税理士事務所に伝えておくとよいでしょう。

クラウド会計導入で失敗しやすい3つの落とし穴と回避策

この章で扱う主なポイント
  • データ移行のトラブルを避けるための事前準備
  • 業務が止まらないように移行期間を分散する工夫
  • 操作に慣れるためのトレーニングやマニュアル整備

データ移行のトラブルを避けるための事前準備

移行対象データを整理し、テスト移行を行うことで本番の失敗を防げます。バックアップを必ず確保しましょう。

業務が止まらないように移行期間を分散する工夫

段階的に移行を進め、現行システムと並行運用することで業務の空白期間を防げます。

操作に慣れるためのトレーニングやマニュアル整備

社員向けの研修や自社用マニュアルを整備し、ITが苦手な担当者でも安心して利用できる体制を整えましょう。

導入コストとランニング費用の仕組みを理解する

この章で扱う主なポイント
  • 初期費用と月額・年額プランの違い
  • 利用人数や機能によって変動する料金体系
  • サポート・導入支援サービスにかかる費用を把握する

初期費用と月額・年額プランの違い

クラウド会計は初期費用を抑えられるのが特長。月額プランは柔軟に利用でき、年額プランは割安です。

また、クラウド会計によっては、特定のプランを年払い契約することで、1年分の料金をキャッシュバックするサービスがあります。契約の際、このような特典がないか必ず確認しましょう。

利用人数や機能によって変動する料金体系

ユーザー数や追加機能によって料金は変わります。必要な機能を優先し、不要なオプションを避けることがコスト削減につながります。

サポート・導入支援サービスにかかる費用を把握する

初期設定やデータ移行、研修サービスは有料となる場合があります。自社に必要なサポート範囲を明確にしましょう。

なお、顧問税理士がいる場合は、クラウド会計への移行を顧問料の範囲内でサポートして貰える場合があります。弊所であればクラウド会計導入サービスがこれに該当するので、お気軽にご相談ください。

導入を成功させるための3ステップ

この章で扱う主なポイント
  • トライアルやデモを利用して実際に操作してみる
  • 社内での運用ルールを確立する
  • 導入後も定期的に見直し、業務改善に活かす

トライアルやデモを利用して実際に操作してみる

使いやすさや機能は実際に触れてみて初めて分かります。社員にも試してもらい、現場の声を反映しましょう。

社内での運用ルールを確立する

アクセス権限や承認フローを明確にすることで、ミスや責任の所在不明を防げます。全社で共通ルールを持つことが重要です。

導入後も定期的に見直し、業務改善に活かす

組織や業務は変化します。定期的にルールや科目を見直し、新機能を活用することで効果を持続できます。

クラウド会計シェア上位3社の比較

この章で扱う主なポイント
  • freee会計(シェア32.3%/個人〜中小企業向け)
  • マネーフォワード クラウド会計(シェア19.2%/中小〜上場準備企業向け)
  • 弥生会計オンライン(シェア15.4%/個人事業主・小規模法人向け)

freee会計(個人〜中小企業向け)

直感的な操作性と自動仕訳機能で小規模事業者に人気。スマホからの操作もしやすく、初心者向きです。

マネーフォワード クラウド会計(中小〜上場準備企業向け)

給与や経費精算など関連サービスとの統合性が高く、拡張性が強み。成長企業やIPO準備企業に最適です。

弥生会計オンライン(個人事業主・小規模法人向け)

老舗ブランドの信頼感と低コストが魅力。確定申告に強く、サポート体制も充実しています。

まとめ

クラウド会計は「効率化」「見える化」「柔軟な働き方」を実現できる強力なツールです。導入準備を丁寧に行い、自社に合ったサービスを選ぶことで、経理業務が大きく変わり、経営判断のスピードも加速します。ぜひ本記事を参考に、自社に最適なクラウド会計導入を前向きに検討してください。

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