確定申告真っ只中、みなさま憂鬱になっていませんか?
顧問税理士に矢のように資料を催促され、うんざりされている方も多いと思います。
弊所では、2/28時点で確定申告の処理はほぼ終わり、1件はご報告待ち、もう1件は不足資料待ちと言った状況です。
今年は年初に肺炎を患ってしまい、なんとか入院を回避するも2月5日に第二子が誕生するなど、一時は確定申告が間に合わないのではないかと真剣に心配しましたが、逆にその危機感が強力なバネになったようで、いざ蓋を開けると例年より早く確定申告が終了するという、なんとも不思議な年となりました。
さて、確定申告が終わると、法人の3月決算がやってきます。弊所でも3月決算法人が何社かありますので、年明けから本格的に決算対策を行っております。
法人の決算対策といえば、期末に従業員に決算賞与を支払うことはよくありますが、役員の給与に関しても、節税できる方法はないかとよく質問されます。
役員の給与に関しては、
① 定期同額給与
② 事前確定届出給与
③ 利益連動給与
という3つの縛りがありますが、②に関しては予め税務署に賞与の支給額と支給日を届け出た上で支給するという手間がかかりますし、③に関しては同族会社は対象外ですので、今回は①の『定期同額給与』を活用して、節税に繋げる方法を考えてみましょう。
取締役会を持たない中小企業であれば、毎年の役員報酬の改定は定時株主総会のタイミングで行うと思います。
通常、定時株主総会は決算日から2ヶ月以内、法人税の確定申告期限の1週間くらい前に開催することが多いので、役員報酬を増額しようとすると、3月決算法人の場合、最短で6月分の役員報酬から増額されることになります。
しかし、これでは期首から2ヶ月間は従前の低い報酬のままなので、その分経費が少なくなることになります。
例えば、
・代表取締役社長(父) 月額50万円から90万円に増額
・監査役(母) 月額30万円から50万円に増額
・専務取締役(長男) 月額40万円から80万円に増額
・常務取締役(二男) 月額30万円から70万円に増額
といった同族会社があったとします。この会社は役員報酬の月額合計が140万円増額されるので、2ヶ月支給が遅れると、240万円経費が計上できないことになります。税額にすると60万円前後でしょうか。
ここで、定期同額給与の規定をもう一度よく調べてみましょう。
法人税法施行令には次のように書かれています。
「通常改定については、事業年度開始の日から3ヶ月以内に改定されたもので、支給額が一定のもの」
定時株主総会で改定しなきゃダメとはどこにも書いていないんですね。
「期首から3ヶ月以内の改定であればOK」としか規定されていないので、期首に臨時株主総会を開いて、そこで役員報酬の増額改定の決議をしてしまいましょう。そうすれば、堂々と4月のお給料から役員分も増額することができます。役員にしてみれば、2ヶ月も早く懐が暖かくなり、税金も安くすることができるわけですから、積極的に活用したくなりますよね(^o^)