マイナンバーから副業がばれることはあるの?

前回の記事の続きになりますが、今回は『マイナンバーから副業はバレるのか?』についてお話したいと思います。

まず大前提として、マイナンバーの利用目的を確認しておきましょう。マイナンバーを規定する法律の正式名称は、『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律』といい、こちらにその利用目的が記載されています。

とても長い条文なので簡単にまとめると、『社会保障・税・防災の3分野に限り利用できる』ということなのですが、言い換えると、これらの目的以外には利用してはダメ、ということなんですね。

ということは、会社が役所や他の会社に、『このマイナンバーの人が他で働いていませんか?』などと聞くことは法律違反になりますし、もちろん相手方の役所や会社も、絶対に答えてくれません。つまり、マイナンバーから従業員の副業が他人に知られることはありません。

ただし、複数の会社からお給料をもらったり(そのお給料が現金で渡されたとしても)、給与以外の所得を確定申告したりすれば、給与支払報告書や支払調書、確定申告書を通じて、市役所や税務署にはわかります。もちろん、副業をすることは違法でもなんでもありませんので、市役所や税務署は何も言いません。当然、公務員である彼らは、犯罪などに関わっている場合を除き、その情報を他人に知らせることは100%ありません。

では一体どこからバレてしまうのか?

会社に副業がバレる原因は、なんと住民税の『納付方法』にあったんですね。

会社勤めの方が副業をされるパターンとして、①他の会社などにアルバイトに出る場合、②フリーランスとして個人で仕事を請け負う場合、③アパートなどの賃貸経営をする場合などがありますが、いずれも給与支払報告書や確定申告書を提出する際、住民税の納付の仕方をそれらの書類に記載しなければならないことになっています。

住民税の納付方法には、『普通徴収』と『特別徴収』の2つがありますが、メインの給与所得がある方は、毎月の給与から住民税を天引きする『特別徴収』が原則となっています。

特別徴収制度は、給与以外の所得に係る住民税についても、メインのお給料から天引きしようというある意味豪快な方法ですので、副業などの他の所得についてもメインの給与所得に合算して住民税が計算され、その天引きをしているメインの勤務先にその人の合算後の住民税の通知書と納付書が送られます。

すると、勤務先の経理や総務担当者はその住民税の通知書をみてこう思うでしょう。

『この人がこの会社でもらっている給与でこの住民税は高すぎるなぁ・・・』

この時点で、みなさまの副業が会社にバレることになります。とはいえ、他に所得があるんだろうな、までしかわからないので、どんなことをしているかまでは会社には判断できません。

つまり、副業をしているのはわかったけど、それがウーバーイーツなのか夜のお商売なのか、相続したアパートをやむなく経営しているのかまではわからない、ということです。

これを避ける方法としては、給与所得以外の場合、確定申告書の住民税の欄に、給与所得以外の所得の住民税の納付方法を選択する箇所があるので、『給与から差引』ではなく、『自分で納付』を選択するようにしてください。そうすれば、勤務先に副業分の住民税は通知されず、その分の納付書は自宅に郵送されるので、勤務先に副業がばれることはないでしょう。