昨日の記事の続きになりますが、事務所兼自宅、店舗併用住宅にかかる支出については、すべてを一律に計算するのではなく、支出する項目の性格に応じて、家事関連費を区分する必要があります。
もう一点注意していただきたいポイントとして、一度適用した区分方法は、状況が大きく変化しない限り毎年継続して適用しなければならないということです。
家事関連費の区分方法を毎年変更すると、税務調査などで利益操作をしているのではと疑われたり、そもそも頻繁に変更される区分方法に合理性はあるのかと指摘される可能性があります。
家事関連費の代表的なものについて、原則的な区分方法を記載しておきます。該当する項目がある方は、今年の確定申告でもう一度見直しをしてください。
事務所兼自宅、店舗併用住宅の家賃
原則として床面積により按分します。
- 建物の構造・用途・使用材質等に著しい相違がある場合には、それらを考慮します。
- 契約で店舗と住宅の家賃を別々に定めていたとしても、その区分が合理的なものでない場合は認められません。
事務所兼自宅、店舗併用住宅の減価償却費
原則として床面積により按分します。
- 店舗と住宅の建築価額が明らかに異なる場合には、それぞれの取得価額を算定して、店舗併用住宅の減価償却費を計算します。
事務所兼自宅、店舗併用住宅の固定資産税
原則として床面積により按分します。
- 店舗と住宅の建築価額が明らかに異なる場合には、それぞれの取得価額を算定して、その価額により按分する方法も認められます。
事務所兼自宅、店舗併用住宅の火災保険料
原則として床面積により按分します。
- 店舗が飲食店である場合には、火災保険料が割高になりますので、その事情を考慮して按分する必要があります。
水道光熱費
床面積、家族数と従業員数、電灯やコンセントの数、使用時間などの合理的な基準に基づいて按分します。
自動車の減価償却費、保険料、自動車諸税、ガソリン代、修繕費等
使用日数や走行距離などの合理的な基準に基づいて按分します。
電話料金、インターネットプロバイダ料金
使用割合によって按分します。
- 大部分が業務の遂行上必要な場合にだけ必要経費になります。
- 電話料金の場合は通話先が利用明細に記載されている場合にはその割合、インターネット回線の場合は接続端末数や使用時間などの合理的な基準に基づいて按分します。