ご自身で確定申告を行った場合でも、税理士が申告手続きを代行した場合でも、多かれ少なかれ処理の間違いは発生します。
処理の間違いにより、または税務調査で間違いを指摘されたことにより、納付した税金に不足がある場合には、修正申告書を作成して追加の税金を納付しなければなりません。
(税金を多く払い過ぎていた場合の税金の取り戻しについては別の機会にお話します。)
このように修正申告書を税務署に提出した場合、不足分の税金の他に、納付が遅れた分の「延滞税」と間違って少なく税金を収めたことについてのペナルティである「過少申告加算税」が課されることがあります。
ただしこの「過少申告加算税」は、税金を過少に申告したからといって、必ずペナルティとして課されるわけではありません。実は、修正申告書を提出する時期により、「全く課されない(0%)」から「5%」、「10%」と変化するんですね。
では、いつ修正申告書を提出すればよいのでしょうか?
【パターン1】
申告期限を過ぎて、税務署から「税務調査をやりますよ~」という趣旨の通知があるまでに自主的に修正申告書を提出した場合には過少申告加算税は全く課されません。
【パターン2】
実際に税務調査の通知が来た後に、「しまった、この間違いは税務調査で絶対に指摘されるな。。」ということが予見できるまで(これを「更正の予知」といいます)に修正申告書を提出した場合は、本来納めるべきであった税金に5%(注1)の過少申告加算税が課せられます。
【パターン3】
税務調査で更正の予知ができた以後に修正申告書を提出した場合には、本来納めるべきであった税金に10%(注2)の過少申告加算税が課せられます。
(注1)期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えた金額には10%が課せられます。
(注2)期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えた金額には15%が課せられます。
以前は、【パターン2】の場合でも、過少申告加算税は課されませんでしたが、税制改正により、平成29年1月1日以後は過少申告加算税が課されるようになりました。
定期的に税務調査が来る法人などは特にそうですが、間違いを指摘される可能性のほうが高いと思いますので、税金計算を間違えて過少に申告してしまったと気がついたら、なるべく早めに「自主的に」修正申告をすることをおすすめします。