税務調査:「これくらいは大丈夫」⇒「重加算税の対象です」!!!

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重加算税とは?

税務調査の現場において、税務調査官にミスや不備を指摘されると、調査後に修正申告等を行って追徴された税金を収めることになりますが、その際、指摘された内容に応じて追加で課される「加算税」というものを納めなければなりません。加算税には発生した原因に応じて以下の3つのパターンがあります。

  1. 過少申告加算税・・申告期限内に納めた税額が、過小に計算されていた場合に課されます。
  2. 無申告加算税・・・申告期限内に確定申告を行わなかった場合に課されます。
  3. 不納付加算税・・・源泉所得税の徴収を怠った、または納付期限を過ぎてしまった場合に課されます。

さらに、上記のような加算税の対象となった行為が、事実を仮装または隠蔽したことにより行われた、いわゆる悪質な行為であった場合には、上記に加算税に代えて、更に重い「重加算税」が課されることになります。

なお、この重加算税は、その元となった上記加算税の種類により、課される税率が以下のように異なります。

過少申告加算税に代わる重加算税

過少申告加算税が課される場合において、納税者が事実の全部または一部を仮装・隠蔽し、その仮装・隠蔽したところに基づいて納税申告書を提出していたときは、過少申告加算税の基礎となる税額の35%に相当する重加算税が課せられます。

無申告加算税に代わる重加算税

無申告加算税が課される場合において、納税者が事実の全部又は一部を仮装・隠蔽し、その仮装・隠蔽したところに基づいて期限内申告書の提出をせずまたは期限後申告書を提出したときは、無申告加算税の基礎となる税額の40%に相当する重加算税が課せられます。

不納付加算税に代わる重加算税

不納付加算税が課される場合において、納税者が事実の全部又は一部を仮装・隠蔽し、その仮装・隠蔽したところに基づいてその国税を法定納期限までに納付しなかったときは、不納付加算税の基礎となる税額の35%に相当する重加算税が課せられます。

重加算税の加重

過去5年以内に無申告加算税又は重加算税を課されたことがある場合において、再び仮装・隠蔽があったときは、10%加重された重加算税(45%、50%)が課せられます。

「仮装・隠蔽」に当たる行為とは?

二重帳簿や裏帳簿を作成する行為

ドラマ・半●直樹でよく聞かれた言葉ですが、例えば本来の会計帳簿とは別に銀行用に利益をかさ増しした帳簿を作成したり、在庫などを不当に改ざんした帳簿を作成する行為がこれに当たります。

帳簿書類等を意図的に破棄・隠匿する行為

領収書や請求書、科目明細や棚卸表など、決算に関する重要な書類を破棄したり隠したりする行為がこれに該当します。

帳簿書類等を改ざんし、虚偽の記載等をする行為

請求書等の数字を改ざんしたり、相手方と共謀して空の領収書等に虚偽の記載をする行為などがこれに当たります。最近ではエクセルの集計表に誤った算式を意図的に挿入して集計数字をごまかすと言った手口もよく見かけます。

簿外取引等の行為

帳簿を介さず直接個人の口座に入金させたり、棚卸資産を意図的に除外する、稼働中の固定資産を除却したことにするといった行為がこれに該当します。

特例要件となる証明書などの書類を改ざんする行為

特別償却などの特例を利用する際に必要な証明書を改ざんしたり、虚偽の申請をして証明書等を取得する行為がこれに当たります。

その他

帳簿書類や証憑類、証明書等の改ざんといった具体的な仮装隠蔽に限らず、税務調査の現場で虚偽の答弁をしたり、頑なに質問に答えないといった行為も、仮装・隠蔽とみなされることがあります。

「これくらいは大丈夫」と思っていませんか?

税理士が行う助言は耳に痛いものが多いためか、ゴルフ友達の社長や知り合いの同業者などの甘い言葉に惑わされるケースが良くあります。

「ワシのときにはそんな細かいこと言われへんかったで」とか、「その税理士頭硬すぎやろ」、「おんなじことしたけど税務調査ではスルーされたよ」等といった感じですが、これらについては、「たまたま」見つからなかっただけで、その行為が許されているわけではありません。税理士の言葉を信じて、危ないことはされないようぜひともお願いしたいところです。

絶対に見つかるであろう不正取引

最後に、数ある不正取引の中で、上位Top3に入るものを紹介したいと思います。

売上除外

手書きの注文伝票などを使って現金商売している飲食店などは、現金を抜きやすいと思われているため、事前の予告なしに税務調査に入られてしまうこと(無予告調査)があります。また、具体的に現金売上を除外する以外にも、決算月の売上請求書を意図的に翌月に付け替えたりする行為も「売上除外」に当たります。

架空経費

これは色々なパターンが考えられますが、一番手軽なのが「カラ出張」に係る交通費でしょうか。得意先の工場の視察に行ったことにして往復の交通費を計上したり、プライベートの旅行で利用したホテル代を出張費として計上する行為がこれに当たります。

最近では減ってきましたが、空の領収書を1束いくらで捌いている悪徳業者もいたくらいなので、架空経費の問題は根が深いといえます。

架空人件費

在籍していないパート職員をでっち上げて、決算前に退職したことにして嘘の人件費を計上するというような事例が跡を絶ちません。特に最近は外国人を雇ったことにして、履歴書やマイナンバーがないなどと偽り、雇った本人を特定・追跡することができないなどと開き直る事例も耳にしています。

最後に

「みなさんが閃いた脱税の方法は、過去何千・何万人が返り討ちにあった”税務署あるある”の使い古された手法です。」

「飲み仲間の社長の甘い言葉ではなく、顧問税理士の言葉を信じましょう。」

「見つかった場合は”倍返し”では済みません。」

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