【家事関連費】その支出は『家事費?』それとも『経費?』白色申告者は要注意!

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

世良税理士事務所はこの1月で開業8年目に入りました。昨年は仕事のやり方について本当に考えさせられた1年でしたが、この新たな1年を迎えるにあたって、考えていたことを一気に実行してやろうと思い、すでにいくつかは始めております。

というわけで、お客様の中には、『世良は一体何を始めたんだ?』と思われる方も出てくると思いますが、どうか温かい目で見守ってくださいませ。

さて、今年最初の記事は、やはり確定申告の話題から。

個人事業者には永遠のテーマであるこの問題。

『どこまで経費で落とせるのか』

最近ではチュートリアルの徳井さんの件でも話題になりましたが、正直申し上げて、100%正解というものはありません。なぜ明快に『こうだ!』と言えないのかというと、法人と異なり、個人事業主は仕事と生活が綺麗に分けられないからなんですね。

わかり易い例を挙げると、4LDKの自宅(賃貸マンション)の1室を事務所として使っている場合、そこの家賃相当分・電気代・インターネット・固定電話などは経費にできそうですが、実際はどうでしょうか?

玄関やトイレなどの共用部分の家賃は?

光熱水費や通信費は家族が使っている分や時間帯まで分けられるのか?

つまり、プライベートな生活部分と事業部分との重なりが、『どこまで経費で落とせるのか』問題を生み出している原因といえます。

この問題は、所得税法上『家事関連費』といい、法律に規定されています。

所得税法第四十五条(家事関連費等の必要経費不算入等)

居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。

一 家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの

ざっくりし過ぎなので、政令もみてみましょう。

所得税法施行令第九十六条(必要経費とされない家事関連費)

所得税法45条第1項第1号に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費以外の経費とする。

一 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費

二 前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費

法律というのは本当に読みにくいですね(笑)

要点をまとめると、次のとおりです。

  • 青色申告者の家事関連費は、取引の記録に基づいて、業務の遂行上必要な部分を明確にできれば経費にできます。
  • 白色申告者の家事関連費は、主たる部分が業務の遂行上必要で、かつ必要部分を明確にできる場合に限り経費にできます。

ここで気をつけなければならないのが、青色申告者と白色申告者とでは微妙にニュアンスが違うことです。白色申告者に規定されている『主たる部分が業務の遂行上必要』の箇所ですが、要するに、『業務・仕事の部分の使用割合がおおむね50%超で、そのことを明確にできる部分の家事関連費だけが対象』ということになります。

例えば、青色申告者であれば、固定電話の利用料の1割でも仕事で使っていることが明らかであれば、その部分は必要経費となりますが、白色申告者であれば、仕事で半分以上使っていなければ一切必要経費にできないことになります。

どうでしょうか、随分厳しいと思いませんか?自宅兼事務所で事務所部分が50%を超えていたとしたら、もはや生活の場ではなくなってしまいますよね。

ちなみに、住宅ローンを組んで購入したマイホームのうち、50%を超えて事務所にした場合、住宅ローン控除を受けることができません。更に言うと、そもそも住宅ローンは専ら居住用の物件を購入する際に受ける融資であり、最初から事業供用割合が50%を超えている物件では融資を受けることができません。

これらのことを考慮すると、まずは青色申告の適用を受けるのが最優先だということがわかりますよね。

家事関連費については、上記のほか、『按分をどうするか』という問題がありますので、次の記事で解説したいと思います。

この記事を書いた人

世良 寛之

世良税理士事務所
所長・税理士