地域金融機関(京都市)のシェアサイクルへの取り組みについて

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京都市におけるシェアサイクルの現状

最近は京都市内の至る所でluupなどの「シェアサイクル」を見かけますが、皆さんは利用されたことはありますか?

私自身は利用したことはないのですが、年を追うごとにシェサイクル利用料が記載された会計帳簿を見かけるようになったので、観光客だけでなく、地元住民の利用も増加しているように思われます。

オーバーツーリズムの問題

京都市では観光客の増加によるオーバーツーリズムが問題となっています。シェアサイクルは、観光地の渋滞を緩和し、効率的に市内を巡れる手段として活用されていますが、過剰な利用が一部の観光スポットで歩行者やバス・タクシーなどとのトラブルを引き起こすケースもあります。

またシェアサイクルのポートが市内中心部に集中しすぎており、山科区などではほとんどポートがなく、同じ観光地でも利便性に差が生じているようです。

安全性の問題

自転車専用レーンが十分に整備されていない箇所が多く、歩行者や車両との接触事故のリスクが懸念されています。また、観光客は地元の交通ルールに慣れていないことが多く、交通事故のリスクも高まっています。これにより、利用者と市民の安全性に対する懸念が残っています。

メリットとデメリットのどちらが大きいか

利用者・市民・事業者それぞれの立場により見方は大きく変わりますが、メリットとしては、観光客が効率的に市内を移動でき、公共交通機関の混雑を緩和できる点が挙げられるでしょう。また、環境にやさしい交通手段でもあります。またデメリットとしては、観光客の無秩序な駐輪や交通ルール違反、事故のリスクが増える点が問題です。総合的に見ると、適切な運用がされればメリットの方が大きいですが、現状ではデメリットも目立っています。

シェアサイクルに対する金融機関の取り組み

最近銀行に行くとシェアサイクルポートが併設されているのを見かけるようになりました。よく考えれば、地域金融機関は地域の要衝に設置されているわけなので、そこにシェアサイクルポートがあれば、市民に対する利便性も大きく向上するはずです。

ということで、京都市の地元金融機関3行のポート設置状況を調べてみました。

京都銀行

京都銀行は2023年8月10日から、京都市内3店舗に対し、㈱ClewのPiPPAポートを設置しているようです。

設置店舗

・河原町支店
・東山支店
・京銀デジタルコネクト左京

京都銀行は河原町~清水寺周辺、修学院から一乗寺周辺に展開しているようですが、河原町周辺は自転車走行禁止区域が多いですし、数も少ないのでそれほど力を入れていないような印象です。

京都中央信用金庫

京都中央信用金庫は㈱きゅうべえ・㈱Clew・㈱Luupのシェアモビリティ事業者3社と提携し、2023年6月5日から京都市内8店舗にシェアモビリティポートを設置しました。

設置店舗

【kotobike】
・醍醐支店
・駅前支店
・久世支店
【PiPPA】
・北烏丸支店
・西院支店
・出町支店
【LUUP】
・上鳥羽支店
・紫野支店

kotobikeの設置支店は、さすが自転車屋のきゅうべえが運営しているだけあって、公共交通機関の隙間をついた面白い場所にあるなぁと思いました。

京都信用金庫

京都信用金庫は、㈱Clew・㈱きゅうべえが運営するシェアサイクルサービスのポートを京都市内25店舗に設置しています。この3行の中では設置支店数が最も多く、設置開始も最も早かったことから、最も積極的に取り組んでいる地域金融機関といえるでしょう。

設置店舗

【PiPPA】
・本店(下京区)
・西大路支店(下京区)
・西陣支店(上京区)
・丸太町支店(上京区)
・三条支店(中京区)
・鞍馬口支店(北区)
・岩倉支店(左京区)
・御室支店(右京区)
・梅津支店(右京区)
・西京極支店(右京区)
・祇園支店(東山区)
・九条支店(南区)
・稲荷支店(伏見区)
・北伏見支店(伏見区)

【kotobike】
・修学院支店 (左京区)
・岩倉中町支店(左京区)
・銀閣寺支店(左京区)
・七条支店(下京区)
・北大路支店(北区)
・北野支店(北区)
・嵯峨支店(右京区)
・樫原支店(西京区)
・洛西支店(西京区)
・上鳥羽支店(南区)
・六地蔵支店(伏見区)

特筆すべきは御室や梅津、西京極といった右京区の便の悪いところにも設置した点でしょうか。樫原や洛西ニュータウンに至っては、よくぞ置いてくれましたといった感じですね(笑)。もちろん良い意味で。

最後に

私は普段マウンテンバイクに乗って山に入ったりしていますが、道中の峠(京見峠)を走っているLUUPに出くわしたことがあります。京見峠の先には山の家はせがわがありますが、そこに向かっていたのでしょうか・・・

あの峠の下り坂をLUUPで疾走している姿を想像するだけで恐怖なのですが、おそらくバッテリーが半分ももたないでしょうね。

街中での安全性についてはここで説明するまでもないですが、郊外でLUUP等を利用される場合は、パンクや故障、転倒による怪我などを追った場合、簡単に助けを呼べないこともありますので、これからの行楽シーズン、十分に注意していただけたらと思います。

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