チャットGPT(GPT-4)に税務相談してみました#1 ~ 従業員慰安旅行について

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チャットGPTは税理士の代わりになるのか?

最近流行りのチャットGPT(文書生成AI)については、今更説明することもないくらい有名になりましたが、それを受けて巷では、チャットGPTに取って代わられる職業は?という話題で盛り上がっています。

もちろん我が税理士業界も、取って代わられるであろう業界の上位に位置しているわけですが、そんなことを悲観してもどうにもならないので、積極的に活用し、税理士業の幅を広げてやろうと日夜格闘しています。

チャットGPTの活用例

私の業務でも、下記のような事例において実際にチャットGPTを利用しています。

  1. カフェのお客様に対する新しいメニューの提案
  2. 創業融資などに必要な中期事業計画の骨子
  3. イベント企画の趣意書・企画書
  4. 入札や新規営業時の提案書
  5. 特定の業界の一般的な分析
  6. エクセルの数式やマクロ作成
  7. ホームページ制作時に記述するCSSの生成

などなど・・・

この他にも様々な場面で活用しておりますが、もちろん、チャットGPTの作成する文章をそのまま使うことは100%ありません。主に、自分の経験値や理解度では導き出せないヒントを得るために、これら文書生成AIを補助的に活用しています。

GPT-4に聞いてみました ~ 従業員慰安旅行は経費になる?

質問:1

あなたは税理士です。お客様から社員旅行の費用が経費になるか質問を受けました。どのように回答しますか?

GPT-4回答:1

はい、経理の専門家としてお答えします。

従業員旅行の費用は一般的に経費として認識されます。以下の点に注意が必要です。

  1. 社員旅行がビジネス目的で行われる場合:ビジネスに関連する活動や、社員の教育、研修、チームビルディング等を目的とする場合、通常は経費として認められます。
  2. 高額な旅行費用:旅行の費用が高額であると見なされる場合、それは娯楽費とみなされ、経費として認められない可能性があります。
  3. すべての社員が参加できるか:一部の社員のみ特権を考える形の旅行は、給与や福利厚生とみなされる可能性があります。全員が参加できる旅行の場合は、経費として認識しやすくなります。

質問:2

旅行に参加しない社員がいた場合はどうでしょうか?

GPT-4回答:2

参加しない場合でも、その従業員の旅費は基本的に経費として認識されます。参加の機会が公平に与えられ、一部の従業員だけが不当に排除されていなければ、税務上の問題は通常発生しません。

質問:3

他の社員と関わるのが嫌だという理由で参加しませんでした。

GPT-4回答:3

その社員が「社員と関わるのが嫌だ」という理由で社員旅行に参加しない選択をした場合でも、その社員旅行の経費は通常認められます。平等に提供され、彼が自らその機会を放棄したからです。

重要なのは、企業が全ての従業員に公平に旅行への参加機会を提供していることです。そのため、参加を望まない従業員自体は、経費として認識する上で問題にはなりません。

質問:4

勤務態度が良くない社員に対して、参加を要請しなかった場合はどうなりますか?

GPT-4回答:4

勤務態度が良くないという理由で特定の従業員を社員旅行に参加させない決定を下した場合、その旅行の経費が税務上認められるかどうかは、複雑な問題となる可能性があります。

原則として、従業員旅行は全員が参加できる形で計画されるべきであるというのが、経費として認識される条件の一つです。 特定の従業員が除外される場合、その旅行は全員に対する福利厚生とはみなされず、経費として認識されない可能性があります。

ただし、具体的な状況や理由、参加を要請しなかった決定がどのように行われたかによって、税務上の結果は異なる可能性があります。具体的な状況について詳しく相談することを強くお勧めします。専門家はあなたの状況に対して適切な対応策をアドバイスすることができます。

専門家(税理士)の見解は?

上記の問答を読み返してみて改めて感じたことは、「正解の中にわずかに嘘が混ざる」「嘘の中にわずかに真実が混ざる」という点です。

これは結構深刻な問題で、専門家としては、これらの回答を元に税務処理をされてしまうと、わずかに混ざった嘘、間違いのために、結果として全体の処理が不正解になってしまったり、わずかに混ざった真実のために都市伝説化してしまう危険をはらんでしまいます。

例えば回答1の3、「一部の社員のみ特権を考える形の旅行は、給与や福利厚生とみなされる可能性があります。」という表現はかなり曖昧で、この部分を丁寧に説明してあげないと、「気の合う人だけで行っても福利厚生費になるんだ」といったとんでもない都市伝説が生まれる要因になりかねません。

というわけで、明日はこの従業員慰安旅行の取り扱いについて、税理士としての回答をさせていただきたいと思います。

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