2021年、『スマホで確定申告』が大きく変わります!
『スマホで確定申告』という謳い文句とともに、2019年にスタートしたスマートフォンによる確定申告ですが、2021年1月以降、スマートフォンでの確定申告画面がわかりやすくなります。
これまで、所得税の確定申告書の提出は以下の3つの方法がありました。
- 手書きした確定申告書を税務署に提出
- 手書きした確定申告書を税務署へ郵送
- 電子申告(e-Tax)
国税庁としては、手書きの確定申告書をシステムに入力するコスト等を減らし、コロナ禍における接触機会も減少させることができるため、③の電子申告をとにかく普及させたいと考えているようです。
この国税庁の方針は令和2年から施行される「青色申告特別控除」の改正にも表れており、従来通りの「65万円控除」を受けるためには、この「電子申告」を行うことが要件とされています。
ちなみに、電子申告を行わずに申告書を提出した場合には、55万円までしか控除が受けられません。青色申告の要件を守って提出したにもかかわらず、昨年よりも10万円控除が減らされるって、なんか理不尽ですよね。
紙申告をしても電子申告をしても申告内容に差があるわけではないのですから、電子申告を普及させたいのであれば、通常65万円の控除に「プラス10万円」してあげるほうが良いと思うのですが。。
話が少し逸れましたが、要は「電子申告を普及させるために、スマホでどんどん申告してくださいね」ということです。
スマホで電子申告できるのは?
「スマホで電子申告」がスタートした2019年は、できることが本当に限られていました。具体的には、1つの会社に勤めて年末調整まで済ませたサラリーマンのお給料(給与所得)で、医療費控除と寄附金控除(ふるさと納税など)を追加で行う人だけが対象で、それ以外の申告を行う人は、パソコン版のe-Taxで処理するよう表示されていました。

2021年版では、給与所得は2ヶ所以上からの給与や公的年金、副業収入などにも対応し、所得控除もすべてできるようになっています。
所得の種類
- 給与所得のすべて(年末調整済1か所、年末調整未済、2か所以上の勤務先からの収入)
- 雑所得(年金収入、副業の収入など)
- 一時所得(生命保険の一時金など)
所得控除
すべての所得控除が対象です。
税額控除
- 政党等寄附金特別控除
- 災害減免額
その他
- 予定納税額
- 本年分で差し引く繰越損失額
まずはマイナンバーカードを作成しましょう
スマホで確定申告をするには、マイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードもスマホで作成することができますので、以下のサイトを参照して事前に作成しておいて下さい。
申請後約2週間〜1ヶ月程度で出来上がりますが、受け取りは必ずお住まいの市区町村役場等に出向かないといけませんので、余裕を持って作成するようにしましょう。
スマホとマイナポータルアプリを連携させよう!
さて、スマホで確定申告をするまでの準備として、お使いのスマホとマイナポータルアプリを連携させる必要があります。
まずはスマホで「確定申告」と検索して下さい。国税庁の確定申告ページがトップに表示されますので、それをタップして下さい。
※ スマホの方は下記のQRコードからもアクセスできます。

以下は実際に表示される画面に沿って説明していきます。
「確定申告書等の作成はこちら」をタップ

「作成開始」をタップ

「申告内容に関する質問」

「マイナポータルAP」をダウンロード


- 今回はiPhone+Safariを前提に説明を進めております。
- Android・iOSともに対応ブラウザはSafariまたはGoogle Chromeです。
- 2021年1月からはe-Taxアプリのダウンロードは不要になります。
マイナポータルAPを起動し、「スマホでログイン」をタップ

「スマホでログイン」を初回にタップすると、マイナポータルへの利用者登録画面に推移しますので、マイナンバーカードをご用意ください。
「利用者証明用電子証明書」のパスワードを入力

「利用者証明用電子証明書」のパスワードは、マイナンバーカードを役所で受け取る際に、ご自身で設定された4桁の暗証番号です。
暗証番号は3回連続して間違えるとロックされてしまいます。不安な方は赤丸部分をタップすると数字が表示されるので、間違わないよう入力して下さい。
マイナンバーカードの情報を読み込ませます

マイナンバーカードの写真を撮ったり、QRコードの読み取りのようにスマートホンをかざすのではなく、マイナンバーカードの上にカメラ面を下にしてスマートホンを直接置きます。
置いた状態のまま、「読み取り開始」をタップして下さい。
マイナポータル・・・メール通知の登録

「マイナンバーカードによるログインが成功しました。」と表示されたのを確認した後、「メール通知の希望」箇所をスクロールします。

「メール通知を希望する」をチェックし、メールアドレスを入力して下さい。
メールアドレスを入力しなくても先に進めますが、国税庁からの各種お知らせを受けられなくなりますので、できるだけ登録するようにしましょう。
個人情報保護についての同意

利用者登録完了

上記の画面が表示されたら利用者登録は完了です。「メインメニュー」をタップして下さい。
メインメニューへ
メインメニューが開いたら、下にスクロールし、「もっとつながる」をタップして下さい。


e-Taxに接続します

初めてe-Taxをご利用になる方は、上記「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」をタップした後、「利用者情報の入力」に移動しますが、既にマイナンバーの情報を読み取っているため、入力は不要です。ただし、「納税用確認番号等の入力」欄については、これまで設定したことがないはずなので、ここで任意の番号を設定します。
つながり完了後、e-Taxのメニューに移ります

e-Taxにアクセスし、確定申告書を作成しよう!
所得税の確定申告書を作成します
ここまではマイナポータルの設定でしたが、次からは所得税の確定申告書等の作成画面に入ります。
「申告書等の作成」をタップします。

「作成開始」をタップします。

申告年分を選択します
令和2年分の確定申告を想定していますので、「はい」をタップします。

以降は問いに対し、下記の動画のように該当するものを選択する形で最後まで進みます。
ここから先は具体的な数字の入力となりますが、指示に従ってサクサクと入力できるようになっておりますので、下記の動画を参考に、入力してみて下さい。
源泉徴収票や医療費の領収証、ふるさと納税の領収証などの入力が完了すると、そのままe-Taxの送信画面に移行しますので、引き続き指示に従って進んで下さい。
最後に
スマホでの確定申告、いかがでしたでしょうか?
私も実際にやってみて、一番手間取ったのがマイナポータルアプリとの連携の部分でした。
なぜか何度も利用者証明用電子証明書のパスワード画面に戻って、そのたびにスマホでマイナンバーカードの読み込みを繰り返しましたが、その試練を乗り越えたあとの確定申告書の作成については、拍子抜けするほどかんたんにクリアすることができました。
新型コロナウイルス感染症が収束する気配もないこの時期、わざわざ危険を犯して税務署に出向くくらいなら、ここは一つ勉強だと思って、スマホを利用した電子申告にぜひともチャレンジしてみてください!